コラム

COLUMN

デジタル遺品の相続手続き 探し方と5ステップを行政書士が解説

2026.05.29
相続

デジタル遺品の相続手続き 探し方と5ステップを行政書士が解説

1000006153


「故人のスマートフォンが開けず、何の契約をしていたのか分からない」「ネット銀行や暗号資産(仮想通貨)があるらしいが、見つけ方が分からない」


ご遺族からこうしたご相談をいただく機会が、年々増えています。形のないデジタル遺品は、見落とすと資産を受け取れなかったり、解約されないまま課金が続いたりすることがあります。この記事では、デジタル遺品の相続手続きについて、種類の整理から探し方の5ステップ、スマートフォンが開けないときの対処法、生前にできる備えまでを、相続専門の行政書士が分かりやすく解説します。

お急ぎの方へ:当法人(行政書士法人リーガルライフエージェンシー)は立川・小平で年間500件を超える相続のご相談に対応しています。デジタル遺品の調査・解約のお手伝いも承っていますので、初回無料相談をお気軽にご利用ください。

TEL/042-312-3586


デジタル遺品とは?相続で問題になりやすい理由


デジタル遺品とは、亡くなった方(被相続人)がパソコンやスマートフォン、インターネット上に残した財産やデータの総称です。明確な法律上の定義がある言葉ではありませんが、相続の現場では年々その重要性が高まっています。


デジタル遺品の意味と「財産型・非財産型」の2分類

デジタル遺品は、大きく次の2種類に分けて考えると整理しやすくなります。

財産型(お金に関わるもの):ネット銀行・ネット証券の口座、暗号資産(仮想通貨)、FX、電子マネー、ポイント、有料サービスの契約など。相続財産として遺産分割や相続税の対象になります。

非財産型(お金に直結しないもの):SNSアカウント、メール、写真・動画、クラウド上のデータなど。直接の金銭価値は小さくても、故人の思い出やプライバシーに関わるため、扱いに配慮が必要です。

財産型は「漏れなく見つけて手続きする」ことが、非財産型は「故人の意思を尊重して整理する」ことが、それぞれの目標になります。


なぜ見つけにくく、放置するとどうなるのか

デジタル遺品が見つけにくいのは、通帳やキャッシュカード、郵送物といった「紙の手がかり」が少ないためです。ネット銀行やネット証券は明細が郵送されないことが多く、ご家族が存在に気づけないまま時間が過ぎてしまうケースが少なくありません。

放置した場合、次のような不都合が生じることがあります。

受け取れるはずの預金・有価証券・暗号資産を相続できない

サブスク(定額課金サービス)の料金が引き落とされ続ける

後から資産が判明し、相続税の申告をやり直す必要が生じる

こうしたトラブルを防ぐため、デジタル遺品は早い段階で体系的に調べることが大切です。相続全体の進め方は相続手続きの全体の流れもあわせてご確認ください。


デジタル遺品の主な種類と相続上の注意点


デジタル遺品は、種類ごとに手続きの方法も注意点も異なります。代表的なものを一覧で整理します。

種類

具体例

相続上の扱い

主な手続き

ネット銀行・ネット証券

楽天銀行、SBI証券など

相続財産(解約・名義変更)

各社へ死亡連絡・残高証明取得

暗号資産(仮想通貨)

ビットコイン、イーサリアム等

相続財産(相続税の対象)

取引所へ連絡・評価・移管

サブスク・有料会員

動画配信、音楽、オンラインサロン

解約手続きが必要

各サービスで解約

電子マネー・ポイント

各種ペイ、マイル等

規約により相続可否が分かれる

各社規約を確認

SNS・メール・写真

LINE、X、Instagram等

非財産型(整理・削除)

追悼設定・削除申請



ネット銀行・ネット証券

ネット銀行・ネット証券の口座は、相続財産として解約または名義変更(移管)の手続きが必要です。一般的には、各社へ口座名義人の死亡を連絡し、案内に従って戸籍謄本や法定相続情報一覧図、相続人の印鑑証明書などを提出します。なお、相続時の口座調査を後押しする仕組みとして、2025年4月から「相続時口座照会」の運用が段階的に始まっています。これは口座管理法(預貯金者の意思に基づく個人番号の利用による預貯金口座の管理等に関する法律)にもとづく制度で、相続人が金融機関の窓口などを通じて申請すると、預金保険機構が各金融機関に照会し、被相続人名義の口座の有無を回答してくれます(手数料は1回の申請につき5,060円・税込/2026年5月時点。死亡から10年以内に利用できます)。ただし、生前にマイナンバーと紐づけられた口座のみが対象で、すべての口座を網羅できるとは限らない点にご注意ください。


暗号資産(仮想通貨)・NFT

暗号資産は相続財産であり、相続税の対象になります。取引所に口座がある場合は、その取引所へ連絡して相続手続きを進めます。一方、ハードウォレットなど取引所を介さない保管方法の場合、秘密鍵やパスフレーズが分からないと事実上引き出せなくなる恐れがあります。評価方法や税額の計算は専門的になるため、当法人では提携の税理士にお繋ぎし、評価・申告まで一貫してサポートします。


サブスク(定額課金)・有料サービス

動画配信・音楽・オンラインサロンなどのサブスクは、解約しない限り課金が続きます。クレジットカードの明細やアプリストアの購読履歴を確認し、不要な契約を早めに解約しましょう。故人名義のクレジットカード自体の解約手続きとあわせて進めると、抜け漏れを防げます。


SNS・メール・写真などの非財産型

SNSやメール、写真などは金銭価値こそ小さいものの、故人のプライバシーや思い出に関わります。多くのサービスでは、遺族からの「追悼アカウントへの切り替え」や「削除」の申請ができます。後ほど解説するとおり、生前に管理者を指定しておくと、ご遺族の負担が大きく軽減されます。



デジタル遺品を探す5つのステップ


「どこから手をつければよいか分からない」という声をよくいただきます。デジタル遺品の調査は、次の5つのステップで進めると漏れを防げます。当法人がご依頼を受けた際にも、この流れに沿って財産調査を行います。


ステップ1 端末・郵便物・メールの確認

まずは故人のパソコン・スマートフォン・タブレットと、郵便物・メールを確認します。金融機関やサービスからの通知メール、アプリのアイコン、ブラウザのブックマークなどが、デジタル資産の存在を知る手がかりになります。紙の郵便物が届いていれば、そこから取引先を特定できることもあります。


ステップ2 金融系デジタル資産の洗い出し

次に、お金に関わる資産を洗い出します。預金通帳やクレジットカードの引き落とし履歴をたどると、ネット銀行・ネット証券・暗号資産取引所・サブスクへの入出金が見つかることがあります。前述の相続時口座照会(口座管理法にもとづくマイナンバー紐づけ口座の照会)も、この段階で活用できます。見落としやすい項目をチェックリストにまとめました。

□ ネット銀行・ネット証券の口座

□ 暗号資産(取引所・ウォレット)

□ 電子マネー・各種ペイ・ポイント・マイル

□ サブスク・有料会員サービス

□ 故人名義のクレジットカード

□ 副業・ネット販売・アフィリエイトの売上口座


ステップ3 各サービスへの連絡・必要書類の準備

利用していたサービスが分かったら、各社へ口座名義人の死亡を連絡します。多くの金融機関・取引所では、戸籍謄本(または法定相続情報一覧図)、相続人全員の印鑑証明書、遺産分割協議書などの提出を求められます。当法人では戸籍収集から書類作成までをまとめてお引き受けし、各社ごとに異なる必要書類の準備をサポートします。


ステップ4 解約・名義変更・相続手続き

書類が整ったら、解約・払戻し・名義変更(移管)の手続きを進めます。なお、不動産が関係する場合の相続登記は提携の司法書士が、相続税の申告が必要な場合は提携の税理士が対応しますので、窓口を分散させずに進められます。


ステップ5 不要アカウントの削除・SNSの整理

最後に、財産に関わらないアカウント(SNS・メール・クラウド等)を、故人の意思やご家族のご希望に沿って整理します。サービスごとに「追悼アカウント化」「削除」などの選択肢があり、申請から完了まで数日〜数週間かかることもあります。

ここまでの調査・手続きをご自身だけで進めるのは大きな負担です。「どこに何があるか分からない」段階からでも構いません。当法人がデジタル遺品を含む財産調査をまとめて代行します。まずは初回無料相談でお話をお聞かせください。

TEL/042-312-3586


スマホ・パソコンが開けないときの対処法


デジタル遺品の調査で最大の壁となるのが、「故人のスマートフォンやパソコンのロックが解除できない」という問題です。ここは特につまずきやすいポイントなので、実情を正しくお伝えします。


自分で試せる範囲とその限界

まずは、故人がパスコードを書き残していないか(手帳・エンディングノート等)を確認します。生前にApple・Googleの故人向け設定をしていた場合は、その仕組みを使ってデータにアクセスできることがあります。しかし、設定がなくパスコードも分からない場合、ご家族が自力でロックを解除するのはきわめて困難です。Appleは、ロック解除に必要な復号キーを同社自身も保持しておらず、本人以外の解除はできないと公式に説明しています。キャリアショップや一般の修理店でも、パスコード不明の端末を解除することは基本的にできません。


専門業者(デジタルフォレンジック)に頼む判断基準

自力での解除が難しい場合は、デジタルフォレンジックやデータ復旧の専門業者への依頼を検討します。ただし、対応できるかどうかは機種やOSのセキュリティレベルによって大きく異なり、最新機種では解除できないことも少なくありません。費用が高額になったり、結局データを取り出せなかったりするリスクもあります。依頼前に、対応実績・可否の見込み・費用を必ず確認しましょう。当法人では、ご希望に応じて連携先の専門業者をご紹介し、調査の段取りをお手伝いします。


無断でロック解除・閲覧してはいけない法的理由

注意していただきたいのが、相続人以外の方が無断で端末やアカウントにアクセスする行為です。他人のIDやパスワードを使ってログインする行為は、不正アクセス禁止法(不正アクセス行為の禁止等に関する法律)に抵触するおそれがあり、故人のプライバシーや他の相続人との関係を損なう原因にもなりかねません。手続きは、相続人全員の理解のもとで進めることをおすすめします。


暗号資産・ネット資産の相続税はどうなる?


ネット銀行の預金やネット証券の有価証券、暗号資産は、いずれも相続税の課税対象です。特に暗号資産は評価方法に特徴があるため、概要を押さえておきましょう。なお、具体的な評価額の計算や申告は税理士の専門領域です。当法人では提携の税理士にお繋ぎし、正確な申告までサポートします。


暗号資産の評価方法(課税時期の取引価格)

国税庁の取扱いでは、暗号資産は「課税時期(相続が発生した日)における取引価格」で評価します。活発な市場がある暗号資産の場合、相続開始日に取引所が公表する取引価格や、取引所が発行する残高証明書の金額をもとに評価するのが一般的です。価格変動が大きいため、相続開始日の時価を客観的な資料で確認しておくことが重要です。


相続税+売却益課税で負担が重くなるケース

注意したいのは、相続した暗号資産を売却して現金化する場合です。売却によって生じた利益には、所得税・住民税が別途かかります。相続税と売却益への課税が重なると、ケースによっては合計の税負担が値上がり益を上回るほど重くなることもあると指摘されています。いつ・いくらで売却するかは税負担に直結するため、相続放棄を含めた選択肢とあわせて、早めに提携税理士へご相談いただくことをおすすめします。


デジタル遺品で起こりがちなトラブルと地域での対応


実際のご相談では、デジタル遺品特有のトラブルが少なくありません。当法人がお手伝いした事例を、個人情報に配慮して2つご紹介します。


事例1 ネット証券の含み損・含み益に気づかなかったケース

お父さまを亡くされた多摩エリアのご家族から、「証券会社からの郵送物が一切ないが、株式投資をしていたようだ」とご相談がありました。クレジットカードの引き落とし履歴とメールを手がかりにネット証券の口座を特定し、残高証明を取得したところ、まとまった額の有価証券が判明しました。早期に気づけたことで、遺産分割と相続税申告に間に合わせることができました。


事例2 サブスク課金が続いていたケース

おひとり暮らしだった故人の口座から、毎月複数のサブスク料金が引き落とされ続けていた事例です。アプリストアの購読履歴とカード明細を突き合わせて契約を洗い出し、すべて解約しました。デジタル遺品は「資産を見つける」だけでなく「不要な支出を止める」ことも大切だと実感した事例です。


立川・多摩エリアでの当法人の伴走体制

当法人は立川本社・小平駅前の3拠点・31名体制で、年間500件を超える相続のご相談に対応しています。地域の葬儀社や地域包括ケアシステムと連携しているため、葬儀直後のあわただしい時期から、デジタル遺品を含む手続き全般を伴走できます。土日祝も午前9時から午後6時まで電話対応していますので、平日にお時間が取れない方もご相談いただけます。おひとりさまの終活についてはおひとりさまの終活でやることリストもご参照ください。


生前にできるデジタル終活(5つの対策)


デジタル遺品のトラブルは、生前の準備で大きく減らせます。ご遺族を困らせないために、ご自身でできる5つの対策をご紹介します。これは「デジタル終活」とも呼ばれ、近年関心が高まっています。


対策1 ID・パスワードの棚卸しと紙での保管

利用しているサービスのIDとログイン方法を一覧にまとめます。情報の流出を防ぐため、デジタルデータではなく紙のノートに記し、保管場所をご家族に伝えておく方法が安心です。すべてのパスワードを書き出すのではなく、「どのサービスを使っているか」「保管場所はどこか」を残すだけでも、ご遺族の調査はぐっと楽になります。


対策2 Apple・Google・Facebookの故人アカウント設定

主要なサービスには、死後にデータを託す仕組みがあります。

Apple「故人アカウント管理連絡先(デジタル遺産プログラム)」:信頼できる人を管理連絡先に指定すると、死後にアクセスキーと死亡証明書類でiCloudのデータにアクセスできます(iOS 15.2以降)。

Google「アカウント無効化管理ツール」:一定期間(3〜18か月)操作がない場合に、指定した最大10人へデータを共有したり、アカウントを削除したりするよう事前設定できます。

Facebook「追悼アカウント」:「追悼アカウント管理人(レガシーコンタクト)」を指定しておくと、死後の管理を任せられます。

これらを生前に設定しておくだけで、ご遺族の手続きが格段に楽になります。


対策3 エンディングノートにデジタル資産を記録

エンディングノートに、ネット銀行・証券・暗号資産・サブスク・SNSなどのデジタル資産を記録しておきましょう。書き方に迷う場合は、当法人でも記載項目の整理をお手伝いしています。


対策4 遺言書・付言事項での意思表示

財産的価値のあるデジタル資産は、遺言書に明記しておくと、誰が引き継ぐかを明確にできます。SNSや写真の扱いなど法的な強制力にはなじまない希望は、付言事項(遺言に添える気持ちのメッセージ)として残す方法もあります。


対策5 家族・専門家との共有

最後に、これらの備えを「家族や専門家と共有しておく」ことが何より重要です。せっかく準備しても、保管場所や設定の存在が伝わっていなければ意味がありません。なお、判断能力の低下に備える制度としては成年後見制度もあり、2026年の改正論議ではデジタル遺言の創設も検討されています。生前対策は、お元気なうちに始めることが何より大切です。

「何から手をつければいいか分からない」という段階のご相談こそ歓迎しています。当法人では、デジタル終活を含む生前対策のプランづくりを初回無料でご案内しています。

TEL/042-312-3586


デジタル遺品の相続に関するよくある質問(FAQ)


Q1. 故人のスマホのパスワードが分かりません。どうすればよいですか?

A. 生前にAppleやGoogleの故人向け設定があれば、その仕組みでデータにアクセスできる場合があります。設定がなくパスコードも不明な場合、自力での解除はきわめて困難です。専門業者へ相談する方法もありますが、機種により対応の可否が分かれます。相続人以外が無断で解除・閲覧すると法的な問題になり得るため、相続人全員で進めましょう。


Q2. デジタル遺品も相続税の対象になりますか?

A. ネット預金・有価証券・暗号資産などの財産型は相続税の対象です。評価や申告は提携の税理士がサポートします。


Q3. 暗号資産の評価はいつの時点で行いますか?

A. 相続が発生した日(課税時期)の取引価格で評価するのが一般的です。価格変動が大きいため、相続開始日の時価を資料で確認しておきましょう。


Q4. ネット銀行の口座があるか分からないときは?

A. クレジットカードの引き落とし履歴、メール、アプリ、そして2025年4月から段階的に始まった相続時口座照会(口座管理法にもとづくマイナンバー紐づけ口座の照会)などを手がかりに調査します。当法人がまとめて代行できます。


Q5. 故人のSNSアカウントはどうすればよいですか?

A. 多くのサービスで、遺族からの追悼アカウント化や削除の申請ができます。手続きには数日〜数週間かかることがあります。


Q6. 海外のサービスを利用していた場合は対応できますか?

A. 海外サービスは手続きが複雑になりやすいですが、各サービスの遺族向け窓口を通じて対応します。ケースに応じてサポートいたします。


Q7. 行政書士にデジタル遺品の何を頼めますか?

A. デジタル資産を含む財産調査・財産目録の作成、金融機関の解約・名義変更、遺産分割協議書の作成などを承ります。登記は提携の司法書士、相続税申告は提携の税理士、紛争は弁護士と連携します。


まとめ デジタル遺品は早めの整理と生前対策がカギ


デジタル遺品の相続手続きについて、要点を振り返ります。


・デジタル遺品は「財産型」と「非財産型」に分けて整理すると進めやすい

・探すときは5つのステップで漏れなく洗い出す

・スマホが開けない場合の無断解除は法的リスクがあるため、相続人全員で慎重に

・暗号資産は相続税の対象で、評価・申告は提携税理士が対応

・トラブルを防ぐ最善策は、生前のデジタル終活(ID整理・故人アカウント設定・エンディングノート・遺言書)


形のないデジタル遺品は、見つけにくく手続きも煩雑ですが、早めに体系的に取り組めば必ず整理できます。

当法人は立川・小平で年間500件超の実績をもとに、デジタル遺品を含む相続手続き全般を一貫してサポートします。ご不安な点があれば、相続手続きの全体の流れもご覧いただいたうえで、初回無料相談をお気軽にご利用ください。土日祝も午前9時〜午後6時まで電話を承っています。


本記事は2026年5月時点の情報に基づいて作成しています。制度や各サービスの運用は変更される場合があります。