コラム

COLUMN

相続財産調査の方法 6つの調査先と手順を行政書士が解説

2026.04.13
相続

相続財産調査の方法 6つの調査先と手順を行政書士が解説

スクリーンショット 2026-04-14 125514


「亡くなった親がどんな財産を持っていたのか、全く分からない」「銀行口座はいくつあるのか、借金はないのか」

相続が始まると、多くの方がこうした不安を抱えます。特にスマートフォンが一般的に利用され、アプリで財産の管理を行う方が増えており、同様に銀行で通帳を発行しない方も増えているため、年々この相続財産の調査が面倒になっているという実感があります。

 

相続財産調査は、遺産分割や相続放棄の判断に直結する重要な手続きです。調査が不十分だと、後から財産が見つかってやり直しになったり、知らない借金を相続してしまったりするリスクがあります。

 

この記事では、年間500件超の相続相談を受ける行政書士法人が、不動産・預貯金・借金それぞれの具体的な調査方法と、2026年2月に始まった新制度「所有不動産記録証明制度」まで、実務の視点から分かりやすく解説します。


お急ぎの方へ:相続財産調査のご相談は初回無料です。土日祝日も対応しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

TEL:042-312-3586

 

 

 

■ 相続財産調査とは?なぜ必要なのか

 

相続財産調査の目的と重要性

 

相続財産調査とは、亡くなった方(被相続人)が所有していた全ての財産を洗い出す手続きです。不動産、預貯金、有価証券などの「プラス財産」だけでなく、借金や未払金などの「マイナス財産」も含めて調べます。

 

この調査は、相続手続き全体の出発点となります。財産の全体像が把握できなければ、遺産分割協議書の作成も、相続税の申告も進められません。

 

調査が必要な3つの理由

 

1. 遺産分割協議の前提となる

 

相続人全員で遺産の分け方を話し合う「遺産分割協議」は、財産の全容が判明してから行います。調査が不完全なまま協議を進めると、後から別の財産が見つかった場合にやり直しが必要になります。

 

2. 相続放棄の判断材料になる

 

マイナス財産がプラス財産を上回る場合、相続放棄を検討できます。ただし、相続放棄の期限は「自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内」(民法第915条)です。この期限内に調査を終えて判断する必要があります。

 

3. 相続税申告の基礎となる

 

相続税の申告が必要な場合、財産の漏れは申告漏れにつながります。税務調査で指摘されると、加算税・延滞税が発生する可能性があります。

 

相続手続きの全体像については相続手続きの流れで詳しく解説しています。

 

 

■調査すべき相続財産の種類

 

相続財産は大きく「プラス財産」と「マイナス財産」に分かれます。以下のチェックリストを使って、調査すべき項目を確認しましょう。


相続財産の種類一覧(プラス財産とマイナス財産)

プラス財産(資産)

 

-不動産: 土地、建物、マンション、山林、農地、私道の持分

-預貯金: 銀行口座、ゆうちょ銀行、ネット銀行、定期預金

-有価証券: 株式、投資信託、国債、社債

-生命保険: 死亡保険金(受取人指定がない場合)

-車両: 自動車、バイク

-その他: 貴金属、骨董品、ゴルフ会員権、暗号資産(仮想通貨)、未収の年金・給与

 

マイナス財産(負債)

 

-借入金: 住宅ローン、カードローン、消費者金融

-保証債務: 連帯保証人になっている場合

-未払金: 税金、医療費、公共料金、家賃

-その他: クレジットカードの未払残高、個人間の借金

 


ポイント: 遺品整理の際に、通帳、キャッシュカード、固定資産税の納税通知書、保険証券、証券会社からの郵便物、ローンの返済明細などを見逃さないようにしましょう。これらが調査の重要な手がかりになります。

※昨今はスマートフォンやPCのみで口座の管理をしている方が増えていますが、「急死した場合に財産状況が一切わからない」という課題も同時に増えています。まだまだアナログな管理がおすすめです。

 

 

 

■ 不動産の調査方法 名寄帳と所有不動産記録証明制度

 

不動産は相続財産の中でも高額になりやすく、調査漏れがあると大きなトラブルにつながります。主に3つの方法で調べます。

 

名寄帳(固定資産課税台帳)で調べる方法

 

名寄帳(なよせちょう)は、市区町村が管理する固定資産の一覧です。被相続人の名義で課税されている不動産を確認できます。

 

請求先: 不動産が所在する市区町村の税務課(固定資産税担当)

請求できる人: 相続人(戸籍謄本等で相続人であることを証明)

手数料: 1通200〜400円(自治体により異なる)

取得方法: 窓口申請または郵送申請

 

注意点: 名寄帳は市区町村ごとに管理されているため、複数の市区町村に不動産がある場合は、それぞれの市区町村に請求が必要です。また、固定資産税が非課税の土地(公衆用道路・私道の持分など)は名寄帳に載らない場合があります。

 

所有不動産記録証明制度で全国一括検索(2026年2月開始)

 

2026年(令和8年)2月2日から、「所有不動産記録証明制度」がスタートしました。この制度を利用すれば、法務局のシステムを通じて、被相続人が全国で所有している不動産を一括で検索できます。

 

請求先: 最寄りの法務局(全国どこの法務局でも可)。オンライン申請も可能

請求できる人: 不動産の名義人本人、相続人、代理人

手数料: 1通1,600円(窓口の場合)

 

この制度のメリット:

-全国の不動産を一括で検索できる(名寄帳のように市区町村ごとに請求する必要がない)

-固定資産税が非課税の土地(山林・原野・私道の持分など)も抽出される

-「どこに不動産があるか分からない」という問題を解決できる

 

注意点: 登記簿上の氏名・住所と検索条件が一致しないと抽出されません。結婚前の旧姓や、以前の住所で登記されている不動産は検索にかからない可能性があります。旧姓や過去の住所でも検索することをおすすめします。



行政書士からのアドバイス: 名寄帳と所有不動産記録証明書の両方を取得すると、より漏れのない調査が可能です。名寄帳で「課税されている不動産」を確認し、所有不動産記録証明書で「登記されている不動産」を確認することで、二重のチェックができます。

 

登記事項証明書で詳細を確認する

 

名寄帳や所有不動産記録証明書で不動産の所在が分かったら、法務局で登記事項証明書(登記簿謄本)を取得し、詳細を確認します。

 

確認すべき内容: 所有者名義、地番・家屋番号、面積、抵当権の有無(住宅ローンの残債確認)

手数料: 1通600円(窓口の場合)

取得方法: 法務局窓口、郵送、またはオンライン(登記情報提供サービス: 1件330円)

 

不動産の調査が複雑で手間がかかる場合は、専門家への依頼もご検討ください。当事務所では、不動産調査から遺産分割協議書の作成まで一貫して対応しています。初回相談は無料ですので、お気軽にご相談ください。

TEL:042-312-3586

 

 

 

■ 預貯金・金融資産の調査方法

 

通帳・キャッシュカード・郵便物から手がかりを探す

 

まずは、被相続人の自宅にある通帳、キャッシュカード、金融機関からの郵便物を確認します。確定申告書の控えがあれば、利子所得や配当所得の記載から口座の存在を推測できます。

 

見落としやすいもの

- ネット銀行(通帳が存在しない)→ パソコン・スマートフォンのブックマークやメール履歴を確認

- 休眠口座(長期間取引のない口座)

- ゆうちょ銀行(複数口座を持っているケースが多い)

 

全店照会で口座を一括検索する

 

被相続人がどの支店に口座を持っていたか分からない場合、各金融機関の「全店照会」(残高証明書の発行依頼)が有効です。

 

手続きの流れ

1. 金融機関の相続専門窓口に連絡

2. 被相続人の戸籍謄本(死亡が確認できるもの)と相続人の身分証明書を提出

3. 全支店の口座の有無と残高を照会してもらう

 

手数料: 1行あたり770〜1,100円程度(金融機関により異なる)

所要期間: 1〜3週間

 

注意点: 金融機関ごとに個別に請求する必要があります。心当たりのある金融機関が複数ある場合は、並行して照会を進めると時間を短縮できます。

 

証券保管振替機構(ほふり)で株式を調べる

 

被相続人が株式や投資信託を保有していたか確認するには、証券保管振替機構(ほふり)への「登録済加入者情報の開示請求」が便利です。

 

請求方法: 郵送のみ

手数料: 1件6,050円(税込)

所要期間: 約3週間〜1ヶ月

取得できる情報: 被相続人が口座を開設している証券会社名

 

ほふりの開示結果で証券会社が判明したら、各証券会社に残高証明書を請求して保有銘柄と評価額を確認します。この他、各株式の管理をしている株主名簿管理人(=信託銀行)でも端株などの調査を行います。

 

 

 

■ 借金(マイナス財産)の調査方法

 

借金の有無は、相続するか放棄するかの判断を左右します。「知らない借金が後から出てきた」というトラブルを防ぐために、調査しておくことをおすすめします。

 

信用情報機関への開示請求(CIC・JICC・KSC)

 

個人の借入情報は、以下の3つの信用情報機関に登録されています。相続人であれば、被相続人の信用情報を開示請求できます。



機関名 主な登録情報 手数料 請求方法
CIC(シー・アイ・シー) クレジットカード・信販系 1,500円 郵送
JICC(日本信用情報機構) 消費者金融・信販系 2,177円 郵送
KSC(全国銀行個人信用情報センター) 銀行系ローン 1,679円 郵送


※ 法定相続人による被相続人の信用情報開示は郵送での手続きとなります。手数料には郵送料・発行手数料が含まれます。最新の手数料は各機関の公式サイトでご確認ください。

 

3機関すべてに開示請求することで、ほぼ全ての借入状況を把握できます。合計で約5,400円、所要期間は1〜2週間です。

 

必要書類: 被相続人の戸籍謄本(死亡記載あり)、相続人の戸籍謄本、相続人の身分証明書

 

借金が見つかった場合の対応

 

マイナス財産がプラス財産を上回る場合は、相続放棄や限定承認を検討します。

 

-相続放棄: 家庭裁判所に申述(民法第938条)。3ヶ月以内の期限に注意

-限定承認: プラス財産の範囲内でマイナス財産を引き継ぐ方法。相続人全員で申述が必要

 

相続放棄の期限が迫っている場合は、家庭裁判所に「熟慮期間の伸長」(民法第915条第1項ただし書)を申し立てることで、期間を延長できる場合があります。申立書類の作成は司法書士または弁護士が担当します。お繋ぎしますので弊所までご連絡ください。

 

 

 

■ 相続財産調査にかかる費用と期間

 

自分で調査する場合の費用目安

 

主な費用は各機関への手数料のみです。

 

調査項目 費用目安
名寄帳 1通200〜400円 × 市区町村数
所有不動産記録証明書 1通1,600円
登記事項証明書 1通600円×不動産数
残高証明書(全店照会) 1行770~1,100円×金融機関数
ほふり開示 6,050円
信用情報開示(3機関) 合計約5,400円
戸籍謄本等 1通450~750円×必要通数

 

合計すると、一般的なケースで2万〜4万円程度が目安です。ただし、不動産が多い場合や金融機関が多数ある場合は費用が増えます。

 

専門家に依頼する場合の費用相場

 

依頼先 費用相場 対応範囲
行政書士 3~10万円 財産調査+目録作成、遺産分割協議書作成まで対応可
司法書士 5~15万円 財産調査+不動産登記まで対応可
弁護士 10~30万円 財産調査+紛争対応まで対応可


行政書士への依頼費用について詳しくは「[相続を行政書士に依頼する費用]」をご確認ください。

 

揉めごとがなく、手続き代行が目的であれば、行政書士への依頼が費用対効果の高い選択肢です。不動産の登記が必要な場合は提携の司法書士が、相続税の申告が必要な場合は提携の税理士がそれぞれ対応いたします。

特に相続分野に特化している専門家であれば、二次相続対策や空き家の売却時に損をしない方法なども併せてご案内がされますので細かく確認してみてください。

 

調査にかかる期間の目安

 

- 自分で調査する場合 1〜3ヶ月(各機関への請求・回答待ちの時間を含む)

- 専門家に依頼する場合 2週間〜1ヶ月(並行して手続きを進めるため短縮可能)

 

相続放棄の3ヶ月の期限を考慮すると、財産調査は相続開始後できるだけ早く着手することが大切です。

 


■ 相続財産調査を行政書士に依頼するメリット

 

調査から遺産分割協議書作成まで一貫対応

 

当事務所では、財産調査を単独の業務としてではなく、相続手続き全体の一部として一貫対応しています。

 

お客様ごとに担当のプロジェクトマネジャー(お客様担当)がつき、以下の流れで手続きを進めます。

 

1. 戸籍収集: 被相続人の出生から死亡までの戸籍を取得し、相続人を確定

2. 財産調査: 不動産・預貯金・借金を漏れなく調査し、財産目録を作成

3. 遺産分割協議書作成: 相続人全員の合意内容を法的に有効な書面に

4. 金融機関の手続き: 口座の解約・名義変更を代行

5. 提携士業への橋渡し: 登記は司法書士へ、税務は税理士へスムーズに連携

 

遺産分割協議書の作成方法については遺産分割協議書の書き方で詳しく解説しています。

 

漏れのない調査で相続トラブルを防止

 

年間500件超の相続相談を受ける中で、「自分で調査したが漏れがあった」というご相談は少なくありません。

 

よくある調査漏れの例

- 遠方の不動産(故人が以前住んでいた地域に土地が残っていた)

- ネット銀行の口座(通帳がなく、家族が存在を知らなかった)

- 個人間の貸付金(借用書が遺品から見つかった)

 

専門家に依頼することで、こうした見落としを防ぎ、安心して次の手続きに進めます。

 

相続手続きを自分でどこまでできるかについては相続手続きは自分でできる?もあわせてご覧ください。

 

 

 ■ まとめ 相続財産調査は早めの着手が安心

 

相続財産調査のポイントを整理します。

 

-不動産: 名寄帳と所有不動産記録証明制度(2026年2月開始)を併用して漏れなく調査

-預貯金: 全店照会で口座を一括検索。ネット銀行の見落としに注意

-借金: CIC・JICC・KSCの3機関に開示請求。相続放棄の判断材料に

-費用: 自分で調査すると2〜4万円、行政書士に依頼すると3〜10万円が目安

-期間: 相続放棄の3ヶ月の期限に間に合うよう、早めの着手が重要

 

相続財産調査は、相続手続き全体の基盤となる重要なステップです。調査漏れがあると、遺産分割のやり直しや思わぬ借金の相続といったトラブルにつながりかねません。

 

相続手続き全体の流れを把握したい方は相続手続きの流れをご覧ください。

 

 

 

相続財産調査のご相談は、行政書士法人リーガルライフエージェンシーへ

 

- 初回相談無料

- 土日祝日も午前9時〜午後6時まで対応

- 3拠点(立川・小平2拠点)・33名体制で迅速対応

- 財産調査から遺産分割協議書の作成まで一貫してサポート

 

お電話またはお問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。

TEL:042-312-3586