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所有不動産記録証明制度とは 3つのメリットと手数料を解説

2026.05.28
相続

所有不動産記録証明制度とは 3つのメリットと手数料を解説

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「亡くなった親の不動産が、実家のほかにもあるかもしれない」「相続した不動産に登記漏れがないか心配」——このような不安を解消する新しい制度が始まりました。


2026年(令和8年)2月2日に施行された「所有不動産記録証明制度(しょゆうふどうさんきろくしょうめいせいど)」です。特定の人が全国に所有する不動産を、一覧の形で証明書にしてもらえる制度で、相続財産の調査に大きく役立ちます。


この記事では、制度の概要・請求できる人・必要書類・手数料を、行政書士がわかりやすく整理します。年間500件超の相続相談を受ける立場から、相続手続き全体のなかでこの制度をどう活用すればよいか、実務の視点もあわせてご紹介します。


お急ぎの方へ: 親名義の不動産をもれなく把握したい、相続財産の調査をまとめて任せたい——そんなときは、戸籍収集から証明書の代理取得まで行政書士・司法書士にお任せいただけます。まずはお気軽にご相談ください。[初回相談無料・土日祝も対応]※提携の司法書士をご紹介いたします

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所有不動産記録証明制度とは?2026年2月施行の新制


まずは制度の全体像を押さえましょう。所有不動産記録証明制度は、相続登記の義務化(2024年4月施行)と同じ法改正の流れで生まれた、新しい証明制度です。


制度の概要 全国の所有不動産を一覧で証明

所有不動産記録証明制度とは、登記官(とうきかん/法務局の担当職員)が、特定の人が所有権の登記名義人として記録されている不動産を、全国の登記記録から一覧的にリスト化して証明する制度です。発行される書面を「所有不動産記録証明書」といいます。

これまでは、不動産がある市区町村ごとに「名寄帳(なよせちょう)」を取り寄せて調べる必要があり、所有地が複数の自治体にまたがる場合は手間がかかりました。新制度では、1回の請求で全国の不動産をまとめて確認できるようになります。

該当する不動産が1つもない場合は、「記録がない旨」を証明してもらえます。この点は、相続財産の調査結果を客観的に残す資料としても役立ちます。


なぜ生まれた?相続登記義務化との関係

この制度の背景には、所有者不明土地問題があります。相続登記がされないまま放置された結果、全国で所有者の分からない土地が増え、社会問題となっていました。

そこで、2021年(令和3年)の法改正(民法等の一部を改正する法律・令和3年法律第24号)で相続登記が義務化され(不動産登記法第76条の2、2024年4月施行)、あわせてこの所有不動産記録証明制度が新設されました(不動産登記法第119条の2)。相続人が被相続人(亡くなった方)名義の不動産を把握しやすくすることで、相続登記の漏れを防ぐことが大きな目的です。

相続登記の義務化や住所変更登記の義務化については、相続登記・住所変更登記の義務化罰則と3つの対策で詳しく解説しています。あわせてご確認ください。


法定相続情報一覧図との違い

相続手続きで使う「法定相続情報一覧図(ほうていそうぞくじょうほういちらんず)」と混同されやすいのですが、役割が異なります。

・法定相続情報一覧図: 「誰が相続人か」(相続人の関係)を証明する書類

・所有不動産記録証明書: 「どの不動産を持っているか」(所有不動産の一覧)を証明する書類

両者はセットで活用すると効果的です。後述するとおり、相続人が証明書を請求する際には、法定相続情報一覧図を相続関係の証明書類として使うこともできます。


名寄帳との違いと使い分け

これまで相続財産の調査では、市区町村が発行する「名寄帳」がよく使われてきました。名寄帳とは、その市区町村内で同じ人が所有する不動産を一覧にした課税のための台帳です。固定資産税の課税対象が中心になります。

所有不動産記録証明書との主な違いを整理します。


項目 所有不動産記録証明書 名寄帳
発行元 法務局(登記官) 市区町村
調べられる範囲 全国 その市区町村内のみ
根拠となる情報 登記記録 固定資産課税台帳
主な目的 所有不動産の網羅的な把握 固定資産税の課税

 

全国をまとめて調べたいときは所有不動産記録証明書、特定の市区町村内を課税状況も含めて確認したいときは名寄帳、というように使い分けると効果的です。両方を併用すれば、登記されていない不動産(未登記建物など)の見落としも減らせます。


誰が請求できる?本人・相続人・代理人


所有不動産記録証明書を請求できる人は、法律で次のように定められています(不動産登記法第119条の2)。


本人(所有権の登記名義人)が請求する場合

不動産の所有者として登記されている本人は、自分が登記名義人となっている不動産の証明書を請求できます(同条第1項)。法人も含まれます。「自分名義の不動産を一度すべて棚卸ししたい」という生前対策にも活用できます。


相続人その他の一般承継人が請求する場合

相続人やその他の一般承継人(合併後の法人など)は、亡くなった方(被相続人)名義の不動産について証明書を請求できます(同条第2項)。

「実家のほかにも親の不動産があるかもしれないが、どこにあるか分からない」というケースで、特に力を発揮します。相続財産の全体像を把握する第一歩として有効です。相続財産の調べ方全般については、相続財産調査の進め方と必要書類もご参照ください。


代理人による請求

請求は代理人によって行うこともできます。委任状(請求人の実印を押印したもの)と請求人の印鑑証明書を添えることで、専門家が本人や相続人に代わって請求できます。

戸籍収集や財産調査とあわせて専門家に任せれば、平日に法務局へ足を運ぶ負担なく、相続財産の確認をワンストップで進められます。


請求方法 全国の法務局・オンライン・郵送


請求は、全国どの法務局・地方法務局(支局・出張所を含む)でも受け付けてもらえます。不動産の所在地を管轄する法務局でなくてもかまいません。請求方法は大きく2つです。


窓口・郵送(書面請求)

「所有不動産記録証明書交付請求書」に必要事項を記入し、必要書類を添えて法務局に提出します。窓口に持参するほか、郵送での請求も可能です。お近くの法務局で手続きできるため、遠方に不動産がある場合でも便利です。


オンライン請求(登記・供託オンライン申請システム)

オンラインで請求する場合は、法務省の「登記・供託オンライン申請システム」から「申請用総合ソフト」をダウンロードします。請求様式で「所有不動産記録証明書交付請求書」を選び、必要事項を入力し、電子署名をして請求します。受け取り方法は、郵送交付と窓口交付のいずれかを選べます。


手続きが難しそうと感じたら: オンライン申請の電子署名や、相続人としての必要書類の準備は、慣れていないと戸惑いがちです。戸籍収集は弊社が、法務局への交付請求は提携の司法書士がお手続きします。お気軽にお問い合わせください。

TEL/042-312-3586

 


必要書類チェックリスト 本人・相続人で違う


必要な書類は、請求する人の立場によって変わります。ご自身のケースを確認しましょう。


共通で必要な書類

☐ 所有不動産記録証明書交付請求書

☐ 印鑑証明書、または本人確認書類の写し(マイナンバーカード・運転免許証など)

☐ 手数料(書面請求は収入印紙で納付)


相続人が請求する場合の追加書類

被相続人名義の不動産について請求するときは、上記に加えて相続関係を証明する書類が必要です。

☐ 戸籍謄本など、相続関係を証する書類

☐ または法定相続情報一覧図(法定相続情報番号を取得済みなら、その番号の提供で書類提出に代えられます)

なお、出生から死亡までの戸籍を漏れなく集める作業は、転籍が多い方の場合、複数の自治体への請求が必要で手間がかかります。この戸籍収集は行政書士の専門業務です。


過去の住所・氏名で検索する場合

引っ越しや結婚で、登記名義が過去の住所・氏名のままになっている不動産を探す場合は、その履歴を証する書類(住民票の除票・戸籍の附票など)も必要です。古い登記が残っているケースは意外と多いため、見落とさないよう注意しましょう。


手数料はいくら?書面・オンラインの料金と計算方法


手数料は請求方法によって異なります。2026年(令和8年)2月時点の金額は次のとおりです。


料金一覧


請求方法 受け取り方 手数料(検索条件1件・1通あたり)
書面請求 窓口・郵送 1,600(収入印紙で納付)
オンライン請求 郵送交付 1,500円
オンライン請求 窓口交付 1,470円

オンライン請求のほうがやや割安に設定されています。


「検索条件1件につき1通」の数え方

手数料は「検索条件の件数 × 証明書の通数 × 単価」で計算します。検索条件とは、たとえば「氏名+住所」の組み合わせを指します。

たとえば、過去の住所も含めて検索条件を4件指定し、証明書を1通請求する場合、書面請求なら「4件 × 1通 × 1,600円 = 6,400円」となります。検索条件が増えるほど手数料も増える仕組みです。


費用を抑えるポイント

複数の検索条件で請求すると費用がかさみます。あらかじめ過去の住所・氏名を整理し、必要な検索条件にしぼることが節約につながります。どの条件で請求すべきか判断に迷う場合は、専門家に相談すると無駄な請求を避けられます。


所有不動産記録証明制度の3つのメリット


この制度を使うと、相続の場面で具体的にどんな利点があるのでしょうか。主なメリットを3つに整理します。

1. 相続財産の登記漏れを防げる: 全国の不動産をまとめて確認できるため、「知らなかった不動産」の見落としを防げます。相続登記の義務化(3年以内・10万円以下の過料)への対応漏れも防止できます。

2. 財産調査が効率化できる: 市区町村ごとに名寄帳を集める手間がなく、1回の請求で全国分を把握できます。遠方の不動産がある方ほど効果が大きくなります。

3. 生前の不動産棚卸しに使える: 本人が元気なうちに自分名義の不動産を一覧化しておけば、家族への引き継ぎや遺言書の作成がスムーズになります。

特に、相続が起きた直後に財産の全体像をつかむうえで、心強い制度といえます。



利用前に知っておきたい注意点


便利な制度ですが、万能ではありません。次の点に注意が必要です。


証明されない不動産がある

所有不動産記録証明書は、あくまで登記記録に基づいて作成されます。次のような不動産は検索の対象外になることがあります。

・表示登記(建物の物理的状況の登記)のみで、所有権の登記がされていない不動産

・登記簿がコンピュータ化されていない一部の古い不動産

・検索の時点で、まだ登記に反映されていない不動産

そのため、「証明書に載らない不動産は存在しない」と断言できるわけではありません。市区町村の名寄帳や固定資産税の課税明細書とあわせて確認すると、より確実です。


あくまで登記記録に基づく証明

この制度は、氏名・住所などの情報をもとに不動産を検索します。同姓同名の方や、登記情報が古いままの場合は、検索結果が完全でない可能性があります。証明書の内容に疑問があるときは、専門家に確認することをおすすめします。


代理請求するメリット 行政書士&司法書士に依頼し相続手続きをワンストップで


所有不動産記録証明書は、相続手続き全体のなかで「財産調査」の一部にあたります。証明書の取得だけを単独で行うよりも、一連の手続きとあわせて専門家に任せるほうが効率的です。


戸籍収集から証明書取得まで一括対応

相続人が請求する場合、戸籍謄本などの相続関係書類が必要です。弊社では戸籍の収集・相続関係の整理を、提携の司法書士が法務局への交付請求を実施することでお客様のご負担を最小限にすることができます。相続手続き全体の流れは、相続手続きの流れと必要な手続き一覧でご確認いただけます。


相続実務での活用シーン(事例)

・事例1: 「父の不動産は実家だけと思っていたが、証明書を取得したところ、遠方の山林が見つかった」というケース。早期に把握できたため、相続登記の漏れを防げました。

・事例2: 「おひとりさまのお客様が、生前にご自身の不動産を一覧化し、遺言書に正確に記載できた」というケース。財産の特定があいまいだと遺言が無効になりかねないため、棚卸しが有効でした。

なお、所有権の名義変更(相続登記)そのものは提携の司法書士がスムーズに対応いたします。相続税が関わる場合は提携の税理士にお繋ぎします。行政書士は戸籍収集・財産調査・遺産分割協議書の作成といった前段階を担当し、各専門家と連携してワンストップでサポートします。費用の目安は相続手続きの行政書士費用をご覧ください。


相続財産の調査でお困りなら: 「どこから手を付ければいいか分からない」という方こそ、最初のご相談がおすすめです。財産調査から証明書取得まで、まとめてサポートいたします。[初回相談無料・土日祝も対応]

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よくある質問(FAQ)


Q1. 所有不動産記録証明制度はいつから利用できますか?

2026年(令和8年)2月2日から運用が始まっています。


Q2. 誰でも他人の不動産を調べられますか?

いいえ。請求できるのは、登記名義人本人、その相続人など一般承継人、およびその代理人に限られます。第三者が自由に他人の不動産を調べる制度ではありません。


Q3. どこの法務局で請求できますか?

全国どの法務局・地方法務局(支局・出張所を含む)でも請求できます。不動産の所在地を管轄する法務局でなくても問題ありません。郵送やオンラインでの請求も可能です。


Q4. 手数料はいくらですか?

検索条件1件・1通あたり、書面請求は1,600円、オンライン郵送交付は1,500円、オンライン窓口交付は1,470円です(2026年2月時点)。検索条件の件数が増えると手数料も増えます。


Q5. 法定相続情報一覧図があれば戸籍は不要ですか?

相続人が請求する場合、法定相続情報一覧図を相続関係の証明書類として使えます。法定相続情報番号を取得済みであれば、その番号の提供で書類の提出に代えることもできます。


Q6. この証明書に載っていなければ、不動産はないと言い切れますか?

言い切れません。表示登記のみの不動産や、登記がコンピュータ化されていない古い不動産などは対象外となる場合があります。名寄帳や固定資産税の課税明細書とあわせて確認すると安心です。


Q7. 取得した不動産の名義変更(相続登記)もお願いできますか?

名義変更(登記申請)は提携の司法書士がスムーズに対応いたします。当法人では、その前段階となる戸籍収集・財産調査・遺産分割協議書の作成を担当し、登記まで一貫してお繋ぎします。


まとめ 新制度を活用して相続の不安を解消しましょう


所有不動産記録証明制度のポイントを整理します。


1. 2026年2月2日施行の新制度で、特定の人が全国に所有する不動産を一覧で証明してもらえます(不動産登記法第119条の2)。

2. 請求できるのは本人・相続人など・代理人で、相続財産の登記漏れ防止に役立ちます。

3. 手数料は検索条件1件・1通あたり1,470〜1,600円。請求は全国の法務局・オンライン・郵送で可能です。

4. ただし証明されない不動産もあるため、名寄帳など他の資料との併用が確実です。

新しい制度を上手に使えば、相続財産の全体像を早期に把握でき、その後の手続きがスムーズになります。「自分のケースで何が必要か分からない」「財産調査をまとめて任せたい」という方は、早めに専門家にご相談ください。


相続のお手続きでお困りの方へ

 

行政書士法人リーガルライフエージェンシーは、立川・小平に3拠点を構える相続専門の行政書士法人です。年間500件超の相続相談実績があり、戸籍の収集・財産調査から遺産分割協議書の作成まで一貫してサポートいたします。

 

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相続・終活を専門とする行政書士法人です(東京都立川市・小平駅前に3拠点/スタッフ33名)。担当者が相続手続き、終活について全般の伴走・コンサルティングと戸籍収集・財産調査・遺産分割協議書の作成を担当し、登記申請は提携の司法書士、相続税の申告は提携の税理士へお繋ぎします。

※ この記事の内容は2026年5月時点の法令・制度に基づいています。法改正や運用変更により内容が変わる場合がありますので、最新の情報は法務省の公式ページでご確認ください。

※ 個別の事案については、専門家にご相談ください。