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教育資金の一括贈与は2026年終了 代替制度を行政書士が解説

2026.06.01
終活

教育資金の一括贈与は2026年終了 代替制度を行政書士が解説

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「孫の教育費を援助したいけれど、教育資金の一括贈与はもう使えないと聞いた」

「すでに開設した口座はどうなるの?」

そんな疑問をお持ちではないでしょうか。


教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置は、令和8年度(2026年度)税制改正により、2026年(令和8年)3月31日をもって終了しました。

この記事では、制度がどう変わったのか、すでに口座をお持ちの方への影響、そして制度終了後も使える代替策(都度贈与・暦年贈与・相続時精算課税など)を、年間相続相談500件超の行政書士がわかりやすく整理します。なお、贈与税額の計算や申告は税理士の業務となるため、必要に応じて提携の税理士へお繋ぎする体制でご案内します。

お急ぎの方へ:すでに教育資金口座をお持ちの方や、これから生前贈与を始めたい方は、初回無料相談で全体の方針を整理できます。

TEL042-312-3586


教育資金の一括贈与の非課税制度とは?基本をおさらい


まず、終了した制度の中身を簡単に振り返ります。仕組みを理解しておくと、既存口座の扱いや代替策の判断がしやすくなります。


制度の概要(最大1,500万円まで非課税)

教育資金の一括贈与の非課税制度とは、父母や祖父母などの直系尊属(ちょっけいそんぞく=直接つながる上の世代)が、子や孫の教育資金をまとめて贈与した場合、一定額まで贈与税が非課税になる特例です。根拠は租税特別措置法第70条の2の2で、平成25年(2013年)4月1日にスタートしました。

非課税となる金額は、受贈者(じゅぞうしゃ=財産を受け取る人)1人あたり最大1,500万円です。ただし、学習塾や習い事など「学校等以外」に支払うものは、そのうち500万円までが上限とされていました。

通常、まとまった額を一度に贈与すると贈与税の対象になりますが、この制度では、金融機関(信託銀行・銀行・証券会社など)に専用口座を開設し、教育費の領収書を提出して払い出す仕組みによって、一括贈与でも非課税で渡せる点が特徴でした。


対象になる人・ならない人

この制度を利用できる人には、次の条件がありました。

・贈与する人:受贈者の直系尊属(父母・祖父母・曾祖父母)

・受け取る人:贈与を受ける年の前年の合計所得金額が1,000万円以下で、契約時に30歳未満の子・孫

・使いみち:入学金・授業料・施設費などの「学校等に支払うもの」、および塾・習い事・通学定期代などの「学校等以外に支払うもの」

兄弟姉妹や配偶者の親(義父母)など、直系尊属にあたらない人からの贈与は対象外でした。


「都度贈与」とはもともと別物

混同しやすいのが「都度贈与(つどぞうよ)」との違いです。実は、扶養義務者(ふようぎむしゃ=親や祖父母など)が、教育費を必要になった都度支払う場合は、もともと贈与税がかかりません(相続税法第21条の3第1項第2号)。

一括贈与の制度は、この「都度贈与」とは別に、将来の分も含めてまとめて先渡しできる点にメリットがありました。逆にいえば、まとめて渡す必要がなければ、都度贈与で十分なケースも多かったのです。この点は、後ほど代替策のところで重要になります。


【2026年3月終了】制度はどう変わった?


ここからが本題です。制度がどう終了したのか、正確に確認しましょう。


令和8年度税制改正で「延長せず終了」

教育資金の一括贈与の非課税措置は、もともと適用期限が「2026年(令和8年)3月31日まで」と定められていました。これまでは期限が来るたびに延長が繰り返されてきましたが、令和8年度税制改正大綱では、期限を延長せずに終了する方針が示されました。

財務省の令和8年度税制改正大綱でも、「令和8年3月31日までとされている教育資金管理契約に基づく信託等可能期間を延長せずに終了する」とされ、同日までに拠出された金銭等については引き続き非課税措置を適用できる、と整理されています(出典:財務省「令和8年度税制改正の大綱」)。

つまり、2026年4月1日以降は、新たに口座を開設して教育資金を一括で拠出することはできなくなりました。


終了した3つの背景

制度が役割を終えた背景には、主に次の3点があるとされています。

1. 利用件数の減少:信託協会等の集計では、利用件数はピーク時から大きく減り、2024年度(令和6年度)の新規契約はおよそ6,800件程度にとどまっていたと報じられています。

2. 格差固定化への懸念:まとまった資産を持つ世帯ほど活用しやすく、「世代を超えた格差を固定する」との指摘が根強くありました。

3. NISA等の拡充:2024年からの新しいNISA(少額投資非課税制度)など、教育資金を準備する別の選択肢が広がったことも理由とされています。


2026年4月以降にできること・できないこと

整理すると次のとおりです。

内容

2026年3月31日まで

2026年4月1日以降

新規の口座開設・一括拠出

可能

不可

既存口座からの教育費の払い出し

可能

可能(契約期間内)

既存口座への追加拠出

可能

不可

 

「すでに口座を持っている方」と「これから贈与を考える方」とで、できることが大きく異なる点に注意が必要です。


すでに口座を持っている方への影響と注意点


3月までに口座をつくった」「祖父母が孫名義で開設してくれている」という方は、ここをしっかりご確認ください。


2026年3月末までに拠出した資金は引き続き非課税

まず安心していただきたいのは、2026年3月31日までに口座へ拠出(入金)された資金は、制度終了後も引き続き非課税で教育費に使えるという点です。原則として、受贈者が30歳に達するまでの契約期間内であれば、これまでどおり領収書を提出して払い出しができます。

制度が終了したからといって、すでに入っているお金が課税されるわけではありません。あわてて解約する必要はありません。


30歳到達時などの「使い残し」には贈与税

注意したいのは、契約期間の終了時に使い切れずに残った金額(管理残額)の扱いです。受贈者が30歳に達するなど、一定の事由で契約が終了した時点で残額があると、その残額は贈与税の課税対象になります。

「いつか使うだろう」と多めに拠出していると、結果的に課税されてしまうことがあります。お子さま・お孫さまの進学予定に合わせて、計画的に使い切ることが大切です。


令和5年4月以降の拠出分は「一般税率」に注意

さらに見落としやすいのが税率です。受贈者の死亡以外の理由で契約が終了し、残額に贈与税がかかる場合、令和5年(2023年)4月1日以降に拠出された部分については、直系尊属からの贈与であっても、税率の軽い「特例税率」ではなく、一般税率で計算されることになっています。

「祖父母からの贈与だから軽い税率になるはず」と考えていると、想定より税額が大きくなる可能性があります。残額が出そうな場合の具体的な税額については、提携の税理士にお繋ぎして試算をご案内できます。

残額が心配な方へ:「いくら残っていて、どう使えば無駄がないか」を一度整理しておくと安心です。生前対策全体の見直しとあわせて、初回無料相談でご相談ください。

TEL042-312-3586


制度終了後も使える4つの代替策


「孫のために援助したい気持ちは変わらない」という方へ。制度が終わっても、教育資金を支援する方法は残っています。代表的な4つを紹介します。


① 都度贈与(必要な都度の教育費はもともと非課税)

最もシンプルで使いやすいのが「都度贈与」です。前述のとおり、親や祖父母が、入学金・授業料などの教育費を必要になった都度、必要な額だけ負担する場合は、金額の上限なく贈与税がかかりません(相続税法第21条の3第1項第2号)。

ポイントは「必要な都度」であること。1年分・数年分をまとめて渡すと贈与とみなされる場合があるため、学費の支払い時期に合わせて、できれば学校や本人の口座へ直接振り込み、振込明細や領収書を残しておくと安心です。手元にお金を渡してしまうと「貯蓄に回った」と見られるリスクがあるため、支払い実態を記録に残す工夫が役立ちます。


② 暦年贈与(年110万円・生前贈与加算7年に注意)

「将来のために少しずつ渡したい」場合は、暦年贈与(れきねんぞうよ)が使えます。受贈者1人あたり年間110万円までの基礎控除があり、その範囲内であれば贈与税はかかりません。

ただし2024年(令和6年)の改正で、相続開始前の一定期間の贈与を相続財産に加算する「生前贈与加算」の対象期間が、従来の3年から段階的に7年へ延長されました(相続税法第19条)。加算の対象になるのは、原則として相続や遺贈で財産を取得する人への贈与です。相続人にあたらない孫への贈与は、原則この加算の対象外とされる点が、教育費援助では実務上のポイントになります。


③ 相続時精算課税(2,500万円+年110万円基礎控除)

まとまった額を早めに渡したい場合は、相続時精算課税制度も選択肢です。原則60歳以上の父母・祖父母から18歳以上の子・孫への贈与について、累計2,500万円までの特別控除が使える制度です。

2024年の改正で、相続時精算課税にも年110万円の基礎控除が新設されました。この年110万円以下の部分は、贈与税の申告が不要で、かつ相続時の持ち戻し(相続財産への加算)も不要とされており、使い勝手が向上しています。ただし、一度この制度を選ぶと暦年課税には戻せないなどの注意点があるため、選択は慎重に行う必要があります。


④ NISA・結婚子育て資金贈与など

このほか、教育資金の準備という観点では、2024年からの新しいNISA(少額投資非課税制度)を活用して、親世代が中長期で資金を育てる方法もあります。また、「結婚・子育て資金の一括贈与」の非課税措置は、教育資金とは別の制度で、適用期限が令和9年(2027年)3月31日まで延長されています。教育費に使える内容も一部含まれるため、状況によっては検討の余地があります。


代替策の比較表 目的別の選び方


「結局どれを選べばいいの?」という方のために、4つの方法を整理します。

4つの方法の比較一覧

方法

非課税の範囲

主なメリット

主な注意点

都度贈与

教育費の実費(上限なし)

手続きが簡単・上限がない

まとめ渡しは不可、支払い実態の記録が必要

暦年贈与

110万円まで

毎年こつこつ渡せる

相続人等は生前贈与加算7年の対象

相続時精算課税

累計2,500万円+年110万円

まとまった額を早く渡せる

暦年課税に戻せない・要申告(年110万円超)

NISA等

運用益が非課税

親世代が自分で備えられる

贈与ではなく自助・元本変動リスク

 

ケース別の選び方

・学費の支払いが今まさに発生している → まずは「都度贈与」。必要な分を直接支払えば非課税です。

・孫が小さく、長期で少しずつ援助したい → 「暦年贈与」。孫は生前贈与加算の対象外になりやすく、相続税対策にもなります。

・入学資金などまとまった額を早めに渡したい → 「相続時精算課税」。年110万円の基礎控除も活用できます。

・相続財産が多く、相続税が気になる → 都度贈与・暦年贈与・相続時精算課税の組み合わせを検討。税額の試算は提携税理士へ。

どの方法が有利かは、贈与する額・お孫さまの年齢・相続税がかかる規模かどうかで変わります。具体的な税額計算は税理士の領域となるため、当法人では全体方針の整理と税理士へのお繋ぎをセットでご案内しています。


実際のご相談例

1:制度終了を知り、孫2人への援助を整理したいAさん(70代)

「教育資金口座を作ろうとしたら終了していた」とご相談に来られたAさん。お孫さまは小学生と中学生の2人でした。当法人では、当面の学費は「都度贈与」で直接支払い、将来分は「暦年贈与」で年110万円ずつ渡す方針を整理。孫は生前贈与加算の対象外になりやすいことから、相続税対策としても無理のない形でまとまりました。ご家族の状況を整理したうえで、贈与契約書の作成をお手伝いし、贈与方法の選択と税額の確認は提携の税理士にお繋ぎしました。

2:既存口座に残額があり、使い切りが不安なBさん(80代)

2年前に教育資金口座を開設し、まとまった額を拠出していたBさん。「孫が30歳になるまでに使い切れるか心配」とのことでした。お孫さまの進学スケジュールを一緒に整理し、毎年の学費を計画的に払い出す見通しを立てたうえで、残額が出そうな場合の課税については提携税理士へ試算を依頼。あわせて、ご本人の判断能力があるうちに遺言と家族信託の検討も進めることになりました。


生前贈与を始める前に知っておきたい注意点


代替策を実行する前に、トラブルを防ぐための3つのポイントを押さえておきましょう。


認知症になると贈与ができなくなる

意外と見落とされがちですが、贈与は「あげる人」と「もらう人」の合意で成り立つ契約です。贈与する方の判断能力(意思能力)が低下すると、贈与契約そのものが難しくなります。

「元気なうちに少しずつ」と考えていても、認知症が進むと生前贈与も、預金の引き出しも難しくなることがあります。そうなる前の備えとして、成年後見制度の改正(2026年)の動向や、家族信託といった仕組みを知っておくことも大切です。家族信託を使えば、判断能力が低下した後も、あらかじめ決めた目的に沿って子や孫のために財産を管理・給付できる場合があります。


名義預金とみなされないための工夫

孫名義の口座にお金を入れていても、通帳や印鑑を祖父母が管理し、孫が自由に使えない状態だと、「名義だけ孫で実質は祖父母の財産」=名義預金とみなされ、相続税の対象になることがあります。

これを防ぐには、(1) 贈与の事実を本人(や親権者)が認識している、(2) 通帳・印鑑を受贈者側が管理している、(3) 後述の贈与契約書を残す、といった点が重要です。


贈与契約書を残す重要性

「言った・言わない」を防ぎ、贈与の事実を客観的に示すために、贈与契約書を作成しておくことをおすすめします。日付・贈与者と受贈者・金額・贈与の方法を明記し、双方が署名押印します。

贈与契約書のような権利義務に関する書類の作成サポートは、行政書士の業務です。当法人では、ご家族の状況をうかがいながら、贈与の進め方とあわせて契約書づくりをお手伝いします。なお、高齢の親世代から高齢の子世代への相続(老老相続)の対策としても、早めの生前贈与は有効です。


教育資金の生前贈与でよくある質問(FAQ)


Q1. すでに開設した教育資金口座は、2026年4月以降も使えますか?

はい。2026年3月31日までに拠出された資金は、原則として受贈者が30歳に達するまでの契約期間内であれば、引き続き非課税で教育費に払い出せます。あわてて解約する必要はありません。


Q2. 2026年4月以降、新しく口座を開設できますか?

できません。制度は終了したため、新規の口座開設および新たな一括拠出はできません。これからの援助は、都度贈与や暦年贈与などの代替策で行うことになります。


Q3. 制度が終わったので、もう非課税で教育費を援助できないのですか?

いいえ。親や祖父母が必要な都度、教育費を直接支払う「都度贈与」は、もともと贈与税がかからず、制度終了後も上限なく使えます。日々の学費援助であれば、この方法で十分なケースが多いです。


Q4. 口座にお金が残ったまま孫が30歳になったらどうなりますか?

使い切れずに残った金額(管理残額)は、契約終了時に贈与税の課税対象になります。令和5年4月1日以降に拠出した部分は一般税率で計算される点にも注意が必要です。進学予定に合わせて計画的に使い切りましょう。


Q5. 暦年贈与と相続時精算課税は、どちらが得ですか?

ご家族の状況によります。長期間こつこつ渡せる場合は暦年贈与、まとまった額を早めに渡したい場合は相続時精算課税が向くことが多いです。ただし税額は個別事情で変わるため、提携の税理士にお繋ぎして試算をご案内します。


Q6. 孫への贈与は相続税の対象になりますか?

原則として、相続や遺贈で財産を取得しない孫への生前贈与は、生前贈与加算(7年加算)の対象外とされます。そのため、孫への暦年贈与は相続税対策として有効に働く場合があります。


Q7. 贈与の手続きで、行政書士に頼めることは何ですか?

贈与契約書の作成サポートや、遺言・家族信託を含めた生前対策全体の設計をお手伝いできます。贈与税の計算・申告は税理士、不動産の名義変更は提携の司法書士が担当し、ワンストップでお繋ぎします。


まとめ 制度終了後も計画的な生前贈与で次世代を支援


最後に要点を整理します。


・教育資金の一括贈与の非課税制度は、令和8年度税制改正により2026年3月31日で終了しました。2026年4月以降は新規の口座開設・拠出ができません。

・すでにある口座のお金は引き続き非課税で使えますが、30歳到達時などの残額には贈与税がかかり、令和5年4月以降の拠出分は一般税率になる点に注意が必要です。

・制度終了後も、都度贈与・暦年贈与・相続時精算課税・NISAなどで次世代を支援できます。お孫さまの年齢や相続税対策の必要性に応じて選びましょう。

・贈与は判断能力があるうちに、贈与契約書を残して計画的に進めることが大切です。


「制度が終わって、これからどう援助すればいいか分からない」「相続税まで考えて生前贈与を整理したい」という方は、ぜひ一度ご相談ください。行政書士法人リーガルライフエージェンシーは、立川・小平に3拠点・スタッフ33名体制で、年間500件超の相続相談に対応しています。生前贈与の進め方や贈与契約書の作成をサポートし、税額計算は提携の税理士、不動産の名義変更は提携の司法書士へお繋ぎして、生前から相続まで一貫してお手伝いします。

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※本記事は2026年5月時点の情報をもとに作成しています。税制は改正される場合があるため、実際のお手続きの際は最新情報をご確認ください。贈与税の計算・申告に関する個別のご相談は、提携の税理士が承ります。